September 12, 2019 - Yasunori Mitsuda CC 20th Interview
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Chrono Cross[edit]
Japanese[edit]
『クロノ・クロス』20周年ライブ開催の光田康典「作曲に大事な構成力は、小説から学んだ」
映画、ゲーム、漫画、小説、音楽に、自分がなぜこんなに感動するのか。感情が揺さぶられるのか。作り手は、受け手の感情をどう想像し設計をしているのか? それが知りたくて『感情のロジカルデザイン』と題してクリエイターにインタビューを続けている。
第1回は文筆家の海猫沢めろんさんに小説の創作法を聞いた(私個人のnoteで公開)。前回、特徴的だったのはシーンとシーンをつなげ、勢いが下がらないようカタパルト式に感情を上げていく物語設計。Aメロ、Bメロ、サビ……とつなげる音楽的なアプローチにも、それは通ずるように思えた。今回は、11月に発売20周年記念ライブが開かれるゲーム『クロノ・クロス』の音楽を中心に、作曲家・光田康典さんにお話を聞いた。
『CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair』
光田康典
作曲家、編曲家、プロデューサー
1992年スクウェア(現スクウェア・エニックス)入社、1995年「クロノ・トリガー」で作曲家デビュー。「ゼノギアス」等の作曲を担当した後、1998年に独立。フリーランスで活動後、2001年プロキオン・スタジオを設立し、同社の代表を務める。主な楽曲代表作に、「クロノ・クロス」「ゼノサーガ エピソードI」「新・光神話 パルテナの鏡」「イナズマイレブン1~3」「黒執事 Book of Circus」「FINAL FANTASY XV エピソード イグニス」他多数。
インタビュー・文:平田提 写真:野田真 曲作りはコンセプトの理解から始まる
― ― 光田さんはどういうプロセスで楽曲を作られているんですか?
光田:作品によってまちまちなんですけど、例えば映像作品だったら、何度も何度も見返しているうちに映像が持つテンポ感とか、世界観が何となく見えてくるんですよ。それに曲のテンポを合わせていくんですけど、映像が表現したいものがメロディとして浮かんでくる場合もあるし、こういうサウンドが必要なんだろうなってことは、自然と分かるんですよね。これって多分、小さい頃に大量の映画を観ていたから、というのがあると思うんです。
― ― 映画の影響なんですね。
光田:ゲームの場合、シナリオを何度も何度も読み直します。テーマに対して必要な音楽性と、ゲーム画面のイメージは結構違ったりします。例えば『クロノ・クロス』の場合、話はダークなんですけど、海がメインのビジュアルで穏やかな感じだったり。シナリオの流れと、映像に対しての音楽のバランスは、一番難しいところだったりするんです。
『クロノ・クロス』は1999年に発売されたPlayStation®ゲームソフトで、『クロノ・トリガー』(スーパーファミコン/1995年)の続編。パラレルワールドがテーマ。キャラクターデザインは鳥山明氏から結城信輝氏に変更、世界観も違っているように見えるが、前作との強い「クロス」が物語を進めると明らかになっていく。光田さんが作曲を担当。現在は「ゲームアーカイブス」でプレイできる。
その時のゲーム画面がどんな状態かによっても、音楽の作り方は全然違いますね。例えば、南国の町に出店がたくさん出ていて、街の人が何人も画面上にいる場面なら賑やかな音楽になりますし、藁葺き屋根の家だけがぽつんと見えて自分一人が動いている場面なら、寂しい感じの音楽になります。色彩はすごくポップで南国の雰囲気でも、キャラクターが何人その画面に現れているかで、人の感じ方は変わりますよね。
ゲーム画面ができてシナリオを全部読んで、それから曲を書き始めて……というのがベストなんですけど、なかなかスケジュール的に難しいことも多いので。なるべくそういう情報を聞きつつ曲を書いていくというプロセスです。
画だけをもらって「これに合わせて曲を書きます」という書き方は、よっぽどの事がないかぎり僕はやりませんね。
― ― それはやっぱり演出ありき、ということでしょうか。
光田:はい。演出ありきですし、前後関係の流れですよね。
例えば、ゲームの場合は町に入る前のフィールドがあるのかどうかとか、ワールドマップはどうなっているのか。プレイヤーが動いていく流れは重要だと思うので。
―― プレイヤーの体験全体を考えていらっしゃるんですね。実際にデモでゲームをやって音楽を合わせた時に、やっぱり違ったなとか直そうかなということはあるんですか?
光田:当然あります! 曲を入れてみて、雰囲気は合ってるんだけど、テンポが合わないからちょっと上げてみようとか、音数が足りないからもうちょっと楽器を増やしてみようとか。こだわりだすとキリがありません。ゲームの音楽はそう言った意味で奥が深いと思います。
ゲーム会社さん側から「バトル曲1」「バトル曲2(中ボス曲)」……みたいな作ってほしい音楽リストが上がってくることがありますけど、これだけだと本当は書けないんですよね。
そのシーンに至るまでの流れはどういうものか、その前後関係や画面構成、そこに出てくるキャラクターの数など、細かな情報が本当は必要なんですけど、それを分かっている制作者の方意外に少ないですね。
―― ゲームディレクターの方もそこまで考えきってないと光田さんにディレクションできないですね。
光田:そうですね。そこで例えば曲を提出して、仮にボツになったとします。その理由が「なんとなく合わないから」とか、その曲の良し悪しでしか判断していない場合、こちらは受け入れづらい。僕は前後関係を考えた前提で「多分こうだろう」と曲を書いているので、僕が考えている以上の理由づけが無ければなかなか……。その曲がゲームの場面に合ってないかは自分でも分かりますから。
ディレクターさんのやりたい世界観を一番最初にしっかりと聞いてやりますので、大きくそこから外れてNGが出るっていうことは今まで一度も無いですけどね。
― ― 最初にやりたいコンセプトがはっきりしているかどうかが大事ってことですね。
光田:大事ですね。例えば僕が『クロノ・クロス』のライブをやるときでも、「やりたいライブはこういうものなんです」っていうのが明確になっていないと、他の協力してくださる方々がどんなに技量があっても、どうすることもできないんですよね。だからディレクターさんがどういう作品にしたいのか、どういうメッセージをユーザーに届けたいのかが明確になってなくて「ただ面白いゲームを作りたいんです」だけじゃダメだと思うんです。逆にコンセプトがしっかりとしているゲームは、当然ですけど、面白いゲームに仕上がる場合が多いですね。 『クロノ・クロス』OP曲に残る、『トリガー』の「かけら」
―― 『クロノ・クロス』のオープニング曲「CHRONO CROSS~時の傷痕~」を最初に聞いた時、「やばいなこの曲!」と衝撃を受けました。鳥肌が立つくらいガーッと感情が上がっていったんですけど、この曲はどういう曲想から作られていったんですか?
光田:最初にゲームのオープニングの絵コンテを見せてもらったんです。そうしたら『ラジカルドリーマーズ』(※注1)っていうゲームのオープニングに似せてあるな、と感じたんですよ。
※注1:1996年に配信されたスーパーファミコンの周辺機器サテラビュー(衛星データ放送)専用ソフト。サウンドノベルタイプのゲームで、『クロノ・クロス』と近しい設定が見受けられ、BGMも『クロノ・クロス』に引用されている。残念ながら、現在はプレイできない。
光田:日記のシーンではしんみりと『ラジカルドリーマーズ』を彷彿とさせるモチーフを使いながら、なおかつ前作『クロノ・トリガー』の雰囲気も出しつつ始まる。で、そこからデモ映像に入るんで、そこで曲がガラッと変わった方がいいな……というのは絵コンテを見ながら感じていたんですよね。なら、もっと激しくガーンと曲を変えて2曲構成にしようかな、と思いつきました。
― ― なるほど。実は、僕なりにこの曲の構造を分析して、こんな表を作ってみたんです。
光田:おおっ!! すごいじゃないですか(笑)。何ですかこれは!
対旋律的に動く弦の刻みが途中で合流する展開は、「Home」ワールド「Another」ワールド、2つの並行世界を行き来し収束へ向かう物語展開とシンクロしている?『CHRONO CROSS 20th Anniversary Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair』PVに使用されているのが「CHRONO CROSS~時の傷痕~」。
―― 開始57秒からの「テレレレレレレ…」っていうヴァイオリンとヴィオラの高音パートと、ベースとチェロの低音パートは並行・交差をしながら進んでいくんですけど、途中1分31秒の『クロノ・トリガー』テーマ曲Cメロのアレンジ部分では弦楽器と尺八が全部一緒のフレーズを奏でています。1分50秒から弦だけになりパーカッションも抜けて、最後はまた盛り上がって『トリガー』アレンジは第1ヴァイオリンだけで他の楽器は別々のフレーズを弾いていますよね。その「分かれていた2つが1つになり、また分かれる」構成が、「Another」と「Home」2つのパラレルワールドを行き来する『クロノ・クロス』の物語展開とシンクロしてるんじゃないかな……と思ったんですよ。
光田:そうですね! 弦楽器は対旋律(注2)的に動いていますね。
※注2:対旋律……主旋律をより引き立たせるために同時に演奏されるパートのこと。
―― もう一つ思ったのが、オープニングムービーとの連動です。日記のシーンの後、パラレルワールドの分岐点「オパーサの浜」で主人公セルジュがワームホールに吸い込まれるところから、弦の刻みのフレーズがスタートしますよね。曲中で『トリガー』のCメロのみになるのは、前作と一番濃くつながる重要人物・キッドが手を差し出してくるシーンになっています。これはゲームの展開にもシンクロしていて。この表を勝手に自分で作ってそれに気づいた時、「光田さん、ここまで考えていたのか!」と鳥肌が立ちました。
光田:オープニング映像の後半部分は、いろいろなパターンがあったんですよ。実は一番最初のテイクは、オパーサの浜ではなくてセルジュが船に乗ってスタートするシーンがあったんです。でも、そのシーンから始めると『クロノ・クロス』の「パラレルワールドの世界観」が伝わらないということで、最初に次元を行き来するシーンを入れてはどうかという意見がでてきたんです。曲もそこでガラッと変わって、印象付けるっていう。
今回は『クロノ・トリガー』のようなタイムトラベルモノではなくて――一部それもあるけど――次元を行き来する「パラレルワールド」モノなんだよっていうのを強くここで印象付ける意図があったんですよね。
―― オープニングは、プレイヤーの方が一番「おっ!」と奮い立つし、プレイして初めて観る映像でもありますよね。
光田:非常に重要だと思うんですよ、オープニングって。『クロノ・クロス』のオープニング曲でメロディが入ってくるまでは、少ない楽器で持たせないといけないんですけど、ブズーキっていう弦楽器も一緒に刻みのユニゾンをしていて、それも重要なポイントだったりして。要らない楽器が一つもない曲です。
―― 『クロノ・トリガー』をプレイした人が『クロノ・クロス』を買って初めてオープニングを観たら、全体的に画面やモチーフは青いし、デザインも変わっているぞっていう印象がありますよね。
光田:そうですね。キャラクターデザインも違いますし、雰囲気も違うし、まったく別物のゲームに思われるじゃないですか。せめて音楽だけでも『トリガー』の「かけら」みたいなものを感じてもらえたらな、というのがありましたね。
― ― それで『トリガー』メインテーマのCメロが入ってたりするんですか?
光田:そうですね。イントロには『ラジカルドリーマーズ』のフレーズが入って、途中で『トリガー』と『ラジカル』が合体したようなメロディになるんですよ。そういうのはすごく考えましたね。 音楽制作に一番大事なのは、構成力
― ― 曲の構成は、どう設計されているんですか?
光田:僕は音楽の良し悪しって構成力だと思っているんです。すごくいい8小節のメロディが書けたとしても、それをただ何回も繰り返されると印象に残らないんです。逆に、そうでもないメロディも、構成次第で良く聞こえてくるんですよ。
よく「プロとアマの違いは何ですか?」と聞かれるんですけど、明らかに構成力だと思うんですよね。メロディもすごく素晴らしいし、コード進行も素晴らしいし、アレンジも悪くないのに、なぜか印象に残らない。というのは、構成力の問題なんですよね。
僕は本を読むのが好きで、特に小説とかも好きで読むんですけど、構成力は本から学んだんです。僕の師匠が「光田、お前は本好きだな。いいよ。音楽やるヤツが小説をたくさん読まないのはダメだ」と言っていて、当時は何が良いのか分からなくて。でもそれは構成力ってことなんですよね。
―― なるほど! このシリーズの第1回目の小説と音楽の構成のお話がつながって、僕的にはめちゃくちゃ嬉しいです。
光田:やっぱり本から得られる構成力って大きいですよね。例えば、宮部みゆきさんや東野圭吾さんとか、売れてるミステリー作家は、構成力が素晴らしいんですよ。他愛もない生活ぶりが描かれていても、構成力でハッとさせられる。これとこれがつながっていて、それでこういう行動をしていたのか……という。宮部さんの『模倣犯』なんかは最初に犯人が見えていて、この犯人がどう犯行に及んで、どうやって捕まるのかっていう推理小説だとなかなかない展開ですよね。音楽で言うなら、いわゆる「サビ始まり」みたいなものです。お客さんにどういう風に見せて聞かせていくか、というのは音楽でも重要なポイントだろうなと思いますね。
― ― どのシーンにも意味があるってことですよね。
光田:そうですね。結局意味のないものが入っていないので、聞いていて、読んでいて楽しいじゃないですか。
僕の場合、例えばゲームのバトル曲でも途中で一旦ふっと落ちるところが入っていたりするんです。ずうっとうるさい曲じゃないんですよね、僕のバトル曲って。飽きさせないためには色々な方法があります。楽器の音色(おんしょく)をガラッと変える構成力もあれば、楽器を足していくっていう構成力もある。逆に引くっていうのもありますし。
― ― 映画がお好きとおっしゃっていましたが、どこか映画の編集にも近いですね。
光田:そうですね。「ここでこのカットを見せておかないと、後が盛り上がらないね」というのにも似ていて、言ってしまえば編集力ですね。
ある程度パーツを組み立てて曲を作ること自体は実はそれほど難しいことではないんですけど、飽きさせないように構成していくことの方が難しいと思います。
――なるほど。ちなみにそういう構成を考える時、「盛り上げる」「しんみりさせる」とか波状のグラフを書いたり、箇条書きでメモしたりすることはあるんですか?
光田:紙に書くことは無いですね。感覚なんでしょうね。やっぱり曲を作ってる時って何度も自分が聴くじゃないですか。それでその曲に飽きちゃってる自分がもしいたとしたら、それはもう多分ダメな曲なんですよ。
例えばAメロ、Bメロ、サビ、と作って、途中で聴いて「つまんないな」と思ったら大幅に構成をぐっと変えてみたり、転調してみたり。色々な方法を試して「ここでいつも感動するな」「鳥肌が立つな」っていうのが出てくると、それは良い曲ですよね。
― ― いじくりながら構成を考えることが多いんですね。
光田:そうですね。もう自分の感覚と感情に委ねていますね。自分で聴いてみて面白くないものはボツにしていきますし。シンプルだけどこの一瞬のコード感が良いよね。とかやっぱりあるんですよね。
ここまで平坦に来たからこそ、ここで出てくる一瞬の音に感動する、みたいな。何もないようでちょっとずつ実は動いていて、最後にこの音が来た瞬間に全部がつながるというか、ゾワっとするような……そんな感覚を心がけて作っています。 ディレクションに必要なのはイメージを伝える力
―― 光田さんが曲想を他の演奏者の方などに伝える際、どのようにディレクションされるんでしょうか。
光田:結構、説明しますよ。譜面にタイトルをなるべく書くようにしています。例えばキャラクターの曲なら、キャラクターの名前とそれっぽい副題みたいなものをなるべくつけて渡します。それを読んだ瞬間に「これはキャラクターのテーマだな」と分かるように。その上で「このキャラクターはこういう立ち位置で、こういう状況に追い込まれています。なので、ここはそのシチュエーションをイメージして演奏して下さい」とか、出来るだけ話して。限られた時間で録音していかないといけないので、ポイントだけかいつまんで、ですけどね。
面白いのが、音楽的な話をしてもあまり良い結果にならないことが多いんですよ。
「なんか演奏が硬いな……」「透明感が無いな…」って時があるんです。皆さん、初見で演奏をされるわけですから、譜面に追われて当然なんですけどね。そんな時、一つのイメージを伝えることによって、音色が全然変わるんですよ。
例えば、ホール録音していてすごく音が硬い時に「ここはすごく綺麗な青空が広がっていて、自分の音を空の彼方に投げるような感じで」とか「浸透させるような感じで演奏してください」って言うだけで全然違うんですよ。「この音符はこう、Aの構成はもうちょっと柔らかく弾いて下さい」って言うよりも風景を伝えた方がうまくいくケースが多いですね。
― ― その違いは面白いですね!
光田:「皆さん、チーターに追いかけられてるイメージで演奏して欲しいんですけど」って言う方が場も和みますし、イメージしやすいじゃないですか。本当は音楽家なので音楽的なことを話した方が上手くいくはずなんですけど、意外に音符って抽象的なもので、一音あってもそれをどう弾くかはミュージシャンに委ねられていますし。イメージの方がベクトルが一つの方向に向くというか、そういうのはありますね。
―― それって、光田さんがゲームディレクターの方からゲームの場面やビジョンの説明を聞かないと曲が作れないっていうのと同じことですよね。
光田:そうですね。僕が仕事を受ける時も一緒で、音楽用語を使ってもらわなくて良いんですよ。その人が感じている風景や、似たような作品が何かとか。音楽的な話をしなくちゃという風に思われがちですが、実はそうではなくて。もっと分かりやすい言葉で良いんですよね。
― ― 「この感じ」を上手く言語化して伝えるっていう。
光田:そうですね。ビジュアルでもいいですし、それを言語化したものでも良いですね。
― ― とにかくイメージを伝えるのが大事なんですね。
光田:そう、イメージが無いと0から1の生み出しは無理ですね。紙に曲リストだけ書かれて、「バトルの時に使用」なんて書かれてもまったく分からない。多分、それはゲームの作曲家さん全員が「そこじゃないんだよな~」って感じていることだと思います。 質の高いものを、妥協せずつくっていきたい
―― 光田さんはプロキオン・スタジオの代表でもありますが、メンバーの皆さんにはスタジオとしてのコンセプトやイメージをどう共有しているんですか?
光田:特に、皆にこうしなさいと言ったことはなくて、とにかく面白いこと、誰もやったことのないことを少ない人数でできればいいなって思います。『クロノ・クロス』のライブにしても、CDの売り方や音楽の売り方もそうですし。良いアイデアを考えついたのに、予算が下りなくてできなかったなんてナンセンスですよね。会社が赤字にならない範囲なら好きなことやっていいよというのが基本スタンスで、今までやってきました。USBメモリで音楽を売る、なんてのもそうなんですけど。
48kHz / 24bitのwavデータの5時間半近い音源をUSBメモリに収めた『ゼノブレイド2』のオリジナル・サウンドトラック。作中のキーアイテム「コアクリスタル」の形状をしている。
光田:会社としては、とにかく質の高いものを作りたい。印刷にしても、デザインにしても中身についてもそうですけど、とにかく妥協しないものを作っていこうというのが、会社のポリシーでありテーマでもありますね。
―― 11月から東京・大阪・名古屋そして台湾で行われる『クロノ・クロス』のライブもそうですよね。衣装にこだわっておられたり、グッズもファンのツボをついたものを作られていたり。ライブ中、ペンライトを使った仕掛けも考えられていると聞きました。これは原作のラスボス戦のアレですか?
光田:それはライブでのお楽しみですが、面白い演出になるんじゃないかな。期待して欲しいです。
― ― ゲームをプレイしているとより楽しめるライブになりそうですね。
光田:『クロノ・クロス』の音楽に注目いただいている方も多いんですが、ゲームをプレイした方がより楽しめると思うので、ぜひおさらいしてもらえたら嬉しいです。
ゲームでも非常に大切になってくる色の順番がありますが、ライブのウェブサイトでもおさらいできるんです。スマホからもできます。画面左下にある「たまご」をクリックするとサウンドがオンになります。その後、サイトのメニューを正しい色の順番に押していくと、左上のロゴが虹色になるんです。ロゴから、隠しページに行けます。
『クロノ・クロス』20周年ライブのウェブサイトの仕掛け。「黄」「赤」「緑」「青」「黒」「白」は作中の技・魔法にあたるシステム「エレメント」の属性。あるモブキャラによれば遺伝子の「ATCG」と「リズム」「ハーモニー」を指すらしい。ある順番でラスボスに攻撃し、最後に「虹」属性のエレメント「クロノクロス」を使わないとグッドエンディングを見ることはできない。実質のラスボス戦前のダンジョンにヒントが隠れている。
― ― この仕掛けはニクいですね!
光田:ここで流れる曲は、僕たちからの最初の贈り物です。2000年当時、完全限定生産、シリアルナンバー入りで100個ぐらい、4万円のオルゴールを作ったんです。ゲーム中の「Radical Dreamers ~盗めない宝石~」が流れるんですが、サイトの音源は「000番」のものなんです。買ってくださった方のオルゴールより、若干テンポが早いんですよ。相当レアな音源です。
― ― これだけでも、誠実なものづくりをされているのが伝わります。
光田:そう言っていただけるとありがたいですけど、なかなか儲からないんですよ、本当に(笑)。でも、買ったら買っただけの価値をお客さんに届けることが一番大切で。
僕たちは、プロフェッショナル集団として良いものを世に出していきたい。「ああしとけば良かった」というのはなるべく無くしたいなと。一生残るものですからね。
光田さんの「ロジック」=筋道は、コンセプトの整理と体験全体のデザインにあると感じた。その構成がベストかの判断は個人の経験や直感に委ねられるとしても、受け手の感情が最大になるように設計する姿勢はどんなクリエイティブでも参考になりそうだ。
海猫沢めろんさんと光田康典さんに共通するのは大量の小説・物語を体験していること。それが「感動する『型』」を体得することにつながっていそうだし、日常で心動かされたものの構造に自覚的であるかどうかも大きそうだ。光田さんは小説を読んでも、ディズニーランドに行っても、構成や音楽が気になるそう。受け手が良い体験ができるように音楽を作るというのは、UXやインターフェイスデザインにも近い姿勢だ。ゲーム自体、物語体験を最大化するようにインターフェイスが設計されているのだから、プレイヤー体験を重視してゲーム音楽を作る光田さんの考え方はとても原理的なものかもしれない。
そして作りたいイメージを明確にしてディレクションする、という姿勢は改めて自分も心がけたい。
※ゲーム開発当時のお話は光田康典さんのご見解として記載させていただきました。
【ライブ情報】
『CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair』
2020/1/25開催の東京(中野サンプラザ)追加公演のチケット応募は2019/9/16まで受付中!
<オフィシャル第三弾先行(東京追加公演)>
◆プレイガイド
◆受付期間
・2019/09/06(金)15:00〜2019/9/16(月)23:59
◆当落・入金期間
・2019/9/21(土)13:00〜2019/9/30(月)23:59
English[edit]
Yasunori Mitsuda, who will hold a live concert to celebrate the 20th anniversary of "Chrono Cross," "I learned the compositional skills that are important for composing from novels.
Why am I so moved by movies, games, manga, novels, and music? Why do movies, games, manga, novels, and music move me so much? How do creators imagine and design the emotions of the audience? To find out, we have been interviewing creators under the title "Logical Design of Emotion.
In the first installment, we interviewed writer KainekoZawa Melon about her method of creating novels (published on my personal notebook). In the last interview, I asked him about his method of creating novels (published in my personal notebook). For this interview, we spoke with composer Yasunori Mitsuda, focusing on the music for the game "Chrono Cross," for which a live concert will be held in November to commemorate the 20th anniversary of its release.
CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair
Yasunori Mitsuda
Composer, Arranger, Producer
Mitsuda joined Square (now Square Enix) in 1992, and made his debut as a composer with "Chrono Trigger" in 1995. After composing music for "Xenogears" and other games, he became an independent composer in 1998. After working as a freelance composer, he established Procyon Studios in 2001 and serves as the company's representative. Major works include "Chrono Cross," "Xenosaga Episode I," "New Light Mythology: Palutena's Mirror," "Inazuma Eleven 1~3," "Black Butler: Book of Circus," "FINAL FANTASY XV: Episode Ignis" and many others.
Interview and text by Sue Hirata; photos by Makoto Noda Songwriting begins with an understanding of the concept
- What is your process for creating a song?
Mitsuda: It depends on the work. For example, if it is a video work, I watch it over and over again to get a sense of the tempo and worldview of the video. I try to match the tempo of the music to that tempo, but sometimes what I want to express in the video comes to mind as a melody, and I naturally know that this kind of sound is necessary. I think this is probably because I watched a lot of movies when I was little.
- So it's the influence of movies.
Mitsuda: In the case of games, I read the scenario over and over again. The musicality required for the theme and the image on the game screen can be quite different. For example, in the case of "Chrono Cross," the story is dark, but the visuals are calm, with the sea as the main visual element. Balancing the flow of the scenario and the music against the visuals is sometimes the most difficult part.
Chrono Cross" is a PlayStation® game software released in 1999 and is a sequel to "Chrono Trigger" (Super Nintendo Entertainment System, 1995). The theme is a parallel world. The character design was changed from Akira Toriyama to Nobuteru Yuki, and the world view seems different, but a strong "cross" with the previous game becomes apparent as the story progresses. Mr. Mitsuda composed the music. Currently, the game can be played on "Game Archives.
The way the music is composed depends entirely on what the game screen is like at the time. For example, if the game is set in a tropical town with many stalls and people in the town, the music will be lively, but if the game is set in a thatched-roof house with only you moving around, the music will have a lonely feeling. Even if the colors are very pop and the atmosphere is tropical, the way people feel will change depending on how many characters are on the screen.
It would be best to have the game screen done and read the entire scenario, and then start writing the music at ......, but it is often difficult to do so on a schedule. The process is to write the music while listening to such information as much as possible.
I don't write a song to go along with a picture unless I have a very good reason to do so.
- So you are saying that there is a direction?
Mitsuda: Yes. There is a direction, and it is the flow of the relationship before and after the game.
For example, in the case of a game, whether there is a field before entering a town, or what the world map looks like. I think the flow of the player's movement is important.
-- You are thinking about the entire player experience. When you actually play the game in the demo and set the music to it, are there things that you think are different or that you would like to fix?
Mitsuda: Of course! When we put in a song, the atmosphere is right, but the tempo doesn't match, so we might want to raise it a bit, or there aren't enough notes, so we might want to add more instruments, and so on. There is no end to the amount of things you can do. In this sense, I think game music is very deep.
The game companies sometimes give us lists of music they want us to make, such as "Battle Song 1," "Battle Song 2 (mid-boss song)," and so on (......), but we can't really write the music if this is all they give us.
We really need detailed information such as the flow leading up to the scene, the relationship before and after, the screen composition, the number of characters in the scene, etc., but surprisingly few game creators understand this.
-- The game director also has to have that much in mind before he can direct Mr. Mitsuda.
Mitsuda: That's right. So, for example, let's say you submit a song and it is rejected. If the reason for rejection is that "it just doesn't fit somehow," or if the decision is based solely on the merits of the song, it is difficult for us to accept it. I write songs based on the assumption that I've thought about the back and forth, so it's hard to ...... if there is no reasoning beyond what I'm thinking. I can tell if the song doesn't fit the scene of the game.
I listen carefully to the director's vision of the world he or she wants to create first, so there has never been a major deviation from that and I have never received a rejection.
- So it is important to have a clear concept of what you want to do at the beginning.
Mitsuda: It is important. For example, when I do a live performance of "Chrono Cross," if I don't have a clear idea of "this is what I want to do," there is nothing I can do, no matter how skilled the other collaborators are. Therefore, it is no good just saying, "I just want to make an interesting game," without having a clear idea of what kind of game you want to make and what kind of message you want to send to the users. On the other hand, a game with a solid concept, of course, will often end up being an interesting game. Pieces" of "Trigger" remain in the opening song of "Chrono Cross
-- When I first heard the opening song "Chrono Cross", "CHRONO CROSS - Scars of Time", I was shocked and thought "Oh my God, this song! I was shocked. It gave me goosebumps and made me feel so emotional.
Mitsuda: I was first shown the storyboard for the opening of the game. I felt that it was similar to the opening of a game called "Radical Dreamers" (*Note 1).
Note 1: "Radical Dreamers" was distributed in 1996 exclusively for Satellaview (satellite data broadcasting), a peripheral device for the Super Nintendo Entertainment System (SNES). It is a sound novel type game with a setting similar to that of "Chrono Cross," and the background music is also taken from "Chrono Cross. Unfortunately, it is currently not playable.
Mitsuda: The diary scene begins with a motif that is reminiscent of "Radical Dreamers" while still having the atmosphere of the previous "Chrono Trigger" game. Then, the demo video begins, and I knew while looking at the storyboards that it would be better to have a drastic change in the music at that point (......). Then, I thought of changing the song more drastically and making it a two-song composition.
- I see. Actually, I analyzed the structure of this song in my own way and made this chart.
Mitsuda: Oh! Isn't that amazing (laughs)? What is this!
The development in which the counter-melodic string tones meet in the middle of the song is synchronized with the development of the story that goes back and forth between two parallel worlds, "Home" world and "Another" world, and heads toward convergence? CHRONO CROSS 20th Anniversary Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair" PV uses "CHRONO CROSS - Scars of Time".
-- The high part of the violin and viola, which starts 57 seconds into the song, and the low part of the bass and cello, which starts 57 seconds into the song, parallel and cross each other, and then at 1 minute and 31 seconds into the song, "CHRONO CROSS ~Time Scars~", the bass part and cello part cross each other. At 1:50, there are only strings and no percussion, and at the end, the "Trigger" arrangement has only the first violin and the other instruments play separate phrases. I thought that this "two separate parts become one and then split again" structure is synchronized with the storyline of "Chrono Cross" that goes back and forth between the two parallel worlds of "Another" and "Home" (......).
Mitsuda: That's right! The strings are moving in a counter-melodic (*Note 2) way.
- Note 2: Counter-melody...... is a part played simultaneously to enhance the main melody.
-- Another thought I had was the linkage with the opening movie. After the diary scene, the main character Serge is sucked into a wormhole at the "beach of Opasa," a junction point in the parallel world, and the string ticking phrase starts, right? The only C melody of "Trigger" in the song is the scene where Kid, the important character most closely connected to the previous game, holds out his hand. This is in sync with the development of the game. When I made this chart on my own and noticed it, I got goosebumps and thought, "Mr. Mitsuda, you thought this far! I got goosebumps.
Mitsuda: There were many different patterns for the second half of the opening video. Actually, the very first take had a scene where Serge starts off on a boat, not on Opasa's beach. However, we felt that starting with that scene would not convey the "parallel world view" of "Chrono Cross," so we came up with the idea of including a scene where they go back and forth between dimensions at the beginning. The music would be completely different there to give the impression.
This time, the song is not about time travel like "Chrono Trigger" (although there is a part of that), but a "parallel world" where people go back and forth between dimensions. The opening is a story about the player's experience in a "parallel world.
-- The opening is the most exciting part of the game. It's also the first image they see when they play the game.
Mitsuda: I think the opening is very important. In the opening song of "Chrono Cross," until the melody comes in, you have to make it work with only a few instruments, but the bouzouki, a stringed instrument, also plays in unison, and that is an important part of the song. There is not a single instrument that is not needed in this song.
-- If someone who played "Chrono Trigger" buys "Chrono Cross" and watches the opening for the first time, they will get the impression that the overall screen and motifs are blue, and the design has changed, right?
Mitsuda: Yes, that's right. The character designs are different, the atmosphere is different, and people think it is a completely different game. I wanted people to at least feel a "piece" of "Trigger" in the music.
- So the C melody of the main theme of "Trigger" is included in the music?
Mitsuda: Yes, that's right. The intro includes a phrase from "Radical Dreamers," and in the middle of the melody, it becomes a combination of "Trigger" and "Radical. I thought about that a lot. The most important thing in music production is the ability to compose.
- How do you design the structure of a song?
Mitsuda: I believe that the quality of music depends on its structure. Even if you write a great 8-bar melody, if you just repeat it over and over again, it won't leave an impression. On the other hand, a not-so-good melody can sound good depending on the composition.
I am often asked, "What is the difference between a professional and an amateur? I think it's obvious that it's the compositional ability. The melody is great, the chord progression is great, and the arrangement is not bad, but for some reason, it doesn't leave an impression. But for some reason, it doesn't leave an impression on me.
I like to read books, especially novels, and I learned compositional skills from books. My mentor said to me, "Mitsuda, you love books. That's good. It is no good for a musician not to read a lot of novels," and at the time I did not understand what was good about it. But I guess that's what he meant by the power of composition.
-- I see! I am very happy to see the connection between the first novel in this series and the story of music composition, in my opinion.
Mitsuda: The power of composition that you can get from books is really significant, isn't it? For example, successful mystery writers such as Miyabe Miyuki and Higashino Keigo have great compositional skills. Even if they are describing their ordinary lives, their compositional skills make you think "wow". They say, "So this and this are connected, and that's why he was acting this way. ...... In Miyabe's "Copycat," the criminal is seen at the beginning, and how he commits the crime and how he is caught is a development that is not easy to find in mystery novels. In music, it is like the "beginning of the chorus. I think it is important in music as well to show the audience how to listen to the music.
- Every scene has its own meaning, doesn't it?
Mitsuda: That's right. In the end, there is nothing meaningless in the music, so it is fun to listen to and read, isn't it?
In my case, for example, even in game battle music, there is a part in the middle where the music falls off. My battle songs are not noisy all the time. There are various ways to keep you from getting bored. There is the compositional ability to change the tone of the instruments, and there is the compositional ability to add more instruments. On the other hand, there is also the ability to subtract.
- You mentioned that you like movies, so it is somewhat similar to editing movies.
Mitsuda: Yes, it is. It's like saying, "If I don't show this cut here, the rest of the song won't be as exciting.
It is not so difficult to assemble parts of a song, but it is more difficult to compose it in such a way that the audience does not get bored.
--I see. By the way, when you think about such a structure, do you draw a wavy graph or write down bullet points such as "make it exciting" or "make it sorrowful"?
Mitsuda: I never write it down on paper. I guess it's just a feeling. When I am writing a song, I listen to it many times. If I find myself getting bored with a song, it is probably a bad song.
For example, if you make a song with an A melody, a B melody, and a chorus, and you listen to it halfway through and think, "This song is boring," you can change the structure drastically or change the key to a different key. If I try various methods and find something that "always moves me here" or "gives me goosebumps," then it's a good song.
-So you often think about the composition while tinkering with it.
Mitsuda: Yes, I do. I leave it to my own senses and feelings. If I find something uninteresting after listening to it, I reject it. I like the simple but momentary chord sense of the song. I like the chords in this one moment.
It's because I've come this far in a flat way that I'm moved by the momentary sound that comes out here. It seems as if nothing is happening, but it is actually moving little by little, and the moment this sound comes at the end, it all comes together, and I try to create a chilling ...... feeling. Direction requires the ability to convey an image
-- How do you direct other performers to convey your ideas for a piece?
Mitsuda: I explain quite a bit. I try to write the title on the score as much as possible. For example, if it is a song about a character, I try to write the character's name and a subtitle like that. I try to make it easy for the audience to understand the theme of the character as soon as they read the title. Then I would say, "This character is in this kind of position and is trapped in this kind of situation. So, please play this part with that situation in mind," and so on, as much as possible. I had to record in a limited amount of time, so I would just summarize the main points.
The interesting thing is that talking about the music often does not yield good results.
There are times when I think, "Your performance is kind of stiff ......," or "There's no transparency.... It is natural that everyone is busy with the score since they are performing for the first time. At such times, conveying a single image can totally change the tone.
For example, if you are recording in a hall and the sound is very hard, just saying, "Here is a beautiful blue sky, and I want you to play as if you are throwing your sound into the sky," or "Please play as if you are letting your sound penetrate the sky," makes all the difference. In many cases, it works better to convey the scenery rather than to say, "Please play this note like this, and the A structure a little softer.
- That's an interesting difference!
Mitsuda: It's easier to imagine the scene if I say, "Everyone, I want you to imagine that you are being chased by a cheetah. But notes are surprisingly abstract, and even if there is a single note, it is up to the musician to decide how to play it. It's more like an image that points in a single direction.
-- That's like saying that you can't write a song without hearing the game director explain the scene and vision of the game to you.
Mitsuda: That's right. It's the same when I take on a job; I don't need them to use musical terms. I have to talk about the scenery the person is feeling, or what similar works are like. People tend to think that I have to talk in musical terms, but actually, that's not true. It's okay to use words that are easier to understand.
-It's like you can verbalize "this feeling" well and convey it.
Mitsuda: Yes, that's right. You can use visuals, or you can verbalize it.
-So it's important to convey the image anyway.
Mitsuda: Yes, without an image, it is impossible to create one from zero. If a list of songs is written on a piece of paper and it says "used during battles," I have no idea what it means. I think that's what all game composers feel, "That's not the point. I want to create high quality products without compromise.
-- Mr. Mitsuda, you are also the representative of Procyon Studio. How do you share the concept and image of the studio with the members?
Mitsuda: I don't really tell everyone what to do. I just hope that we can do something interesting, something that no one has ever done before, with a small number of people. It's the same with the live performance of "Chrono Cross," the way we sell CDs, and the way we sell music. It would be nonsense to say that we came up with a good idea but couldn't do it because of the budget. We have always taken the basic stance that we can do whatever we want as long as it does not result in a loss for the company, including selling music on USB memory devices.
The original soundtrack of "Xenoblade 2," which contains nearly five and a half hours of 48 kHz / 24 bit wav data on a USB memory stick. It is in the shape of the "core crystal," a key item in the work.
Mitsuda: As a company, we just want to create high quality products. Whether it is printing, design, or content, the company's policy and theme is to create uncompromising products.
-- Mitsuda: The same is true for the "Chrono Cross" live concerts that will be held in Tokyo, Osaka, Nagoya, and Taiwan starting in November. You are particular about the costumes and the goods you make to appeal to the fans. I heard that you are also thinking of a trick using penlights during the live performance. Is this like the one used in the final boss battle in the original work?
Mitsuda: That's something to look forward to at the live performance, but I think it will be an interesting performance. I hope you can look forward to it.
-I'm sure the live performance will be more enjoyable if you've played the game.
Mitsuda: Many people are paying attention to the music of "Chrono Cross," but I think it will be more enjoyable if you have played the game, so I would be happy if you could review it.
There is a color sequence that is very important in the game, and you can review it on the live website. You can also do it from your phone. Click on the "egg" in the lower left corner of the screen to turn on sound. Then, if you press the site's menu in the correct color order, the logo in the upper left corner turns rainbow-colored. From the logo, you can go to a hidden page.
This is a trick on the "Chrono Cross" 20th Anniversary Live website. Yellow," "red," "green," "blue," "black," and "white" are the attributes of the "element" system, which corresponds to the techniques and magic in the game. According to one mob character, they refer to "ATCG," "Rhythm," and "Harmony" of the genes. The good ending cannot be seen unless you attack the last boss in a certain order and use the element "Chrono Cross" of the "rainbow" attribute at the end. The clue is hidden in the dungeon before the actual last boss battle.
-This trick is nifty!
Mitsuda: The song played here is our first gift to you: back in 2000, we made a music box, completely limited production, about 100 pieces with serial numbers, for 40,000 yen. It plays the song "Radical Dreamers ~The Unstolen Jewel~" in the game, and the sound on the website is from the "000" number. The tempo of the music box is a little faster than that of the one you bought. It is quite a rare sound source.
- This alone shows the sincerity of your craftsmanship.
Mitsuda: I appreciate that you say so, but we don't make a lot of money, really (laughs). (laugh) But the most important thing is to provide customers with value for their money.
We, as a group of professionals, want to bring good products to the world. We want to avoid saying, "I should have done that. It is something that will last a lifetime.
I felt that Mr. Mitsuda's "logic" (i.e., path) is in the organization of the concept and the design of the entire experience. While it is up to personal experience and intuition to determine whether the structure is the best, the attitude of designing to maximize the emotional impact on the receiver is something that can be used as a reference in any creative process.
What both Mr. Melon Uinekosawa and Mr. Yasunori Mitsuda have in common is that they have experienced a large number of novels and stories. This seems to have led to their mastery of "the 'pattern' of being moved," and whether or not they are aware of the structure of what moves them in their daily lives also seems to be significant. Mr. Mitsuda says that when he reads a novel or goes to Disneyland, he is concerned about the structure and music. Creating music so that the receiver can have a good experience is an attitude similar to that of UX and interface design. Since the game itself, the interface, is designed to maximize the narrative experience, Mr. Mitsuda's approach of creating game music with an emphasis on the player experience may be very principled.
I would like to reaffirm my own attitude of directing with a clear image of what I want to create.
The story about the time of the game development is stated as Mr. Yasunori Mitsuda's opinion.
Live information CHRONO CROSS 20th Anniversary Live Tour 2019 RADICAL DREAMERS Yasunori Mitsuda & Millennial Fair Ticket applications for the additional show in Tokyo (Nakano Sun-plaza) to be held on 2020/1/25 will be accepted until 2019/9/16!
<Official 3rd advance tickets (for the additional Tokyo show)
◆Play Guide
◆Publication Period
2019/9/06(Fri) 15:00 - 2019/9/16(Mon) 23:59
◆Payment period
2019/9/21(Sat) 13:00 - 2019/9/30(Mon) 23:59
From: Interviews